変化への挑戦
朝晩が急に涼しくなりました。先日「今年は夏が暑く長かった気がする。そのうち四季がなくなって二季になるのではないか」などどこかで耳にしましたが、そうかもしれないと思った次第です。地球規模の変化を、季節の境目の今、感じております。
業界の話になりますが、これまで税務署の前の掲示板に設置されていた税理士の名札が撤去されるとのことです。驚きましたが、これも時代の変化なのでしょう。私は業界団体での活動は、現在は一切行っていないため、撤去の議論などの背景は知りませんが、掲示の効果を考えると、反対する理由もないように感じております。ただ、税理士になった25年前、自分の氏名を掲示板まで見に行って、一抹の感動を覚えた経験からは、少し寂しい気がいたします。
業界から離れて世間を見回すと、ホームページに企業内の詳細を記載するものがほとんどなくなっていることに気が付いています。以前は、中小企業のホームページで特に多かったのですが、社長の出身地や出身校など書いているものや、社員さんの情報や、普段どんな仕事をどんな部署で行っているとか、その社員さんのブログや自己紹介などもよく見かけました。今は、ほぼ見かけなくなりました。
会社の登記情報に、取締役の住所を記載しない方法を選択することができるようになりました。以前から、なぜ自宅情報の開示が必要なのか疑問に思っていましたが、これは良かったと思います。ただ有限会社はまだ開示されるようで、なぜ例外なのか、調べてみたいと思っています。すべて選択制にしてほしいです。
ホームページの変化も会社の登記情報の改正も、背景にあるのは、トラブルを未然に防ぐことではないかと思います。海外諸国の状況は定かではありませんが、日本が成熟した国家であることをこのようなことから感じます。以前どこかの動画で、日本は少子高齢化を最初にむかえた成熟国家であり、そのためのチャレンジを先頭にたって行っている国だとインバウンドの旅行客が話していました。外国人で、ある程度の知識層の方は、日本を成熟国家であると認識していることと、今後どのように国家のかじ取りをしていくのかに注目していることがわかりました。日本における観光政策の急速な発展により、思わぬところで外国人の考えを知れたことから、観光政策の発展という時代の変化の、効用も感じております。
区保有のレンタサイクルですが、私の住む地区でもその利便性を享受できています。ただ最近は、民間企業のキックボードレンタルなどが急速に普及してきていて、設置場所の多さに、特に利便性を感じています。そのうち区のレンタサイクル制度はなくなのかもしれません。これも時代の変化だと思っておりますが、便利になったものです。まだ課題は多いですが。
日本をよくしていくなどという発言を耳にすると、今の日本は良くないのか?と単純に思います。日本は、海外諸国からうらやましがられるほどの成熟した国家なのであって、その日本を持続可能な国家としていくことこそが、これからの為政者に求められることなのではないでしょうか。多様性を認め、変化に対応し、変えるべきものは変えていくことが必要だと思います。大手企業でも中小零細企業でも、老舗と呼ばれる企業は、代表者が変わり、世代が変わるごとに、時代に応じて新たな課題を見出し、変化に果敢に挑戦していくことで、企業を永続させてきました。
変えていくのは当たり前のこと、その当たり前のことを当たり前に行う、そんな国家のかじ取りを期待したいものです。 ただし、変えてはいけないものはしっかりと守ってほしい。