新・北斎展

昨日は昼から確定申告の打ち上げ会でした。確定申告の経験はもう30回くらいになります。30回もやると特別なことではありません。私の事務所のような小規模形態の税理士事務所では、いまだ一つのイベントと言えるのかもしれませんが、ある中規模以上の事務所の税理士から、年中忙しくしていることもあって特別なことではないとも聞きました。

先日お会いした社長さんが、景気が安定しているのはいいが、人材不足で困っていると話しておられました。人材不足のために、社員が高額の給与でハンティングされ去っていった、高額で人材を募集する理由は人がいないから、その状況はどの会社でも一緒、本当はこれまでの給与相場で雇いたいのに、人材がいないから泣く泣く高額で雇用した、高額な給与で雇った以上、その分余計に働いてもらわなければならなくなる、今、大手企業は高額な給与相場への移行期かも知れないが、中小企業はまだ移行期に入っていない、結局その社員は転職先で「こんなにきついとは思わなかった」と後悔している とのことでした。

よく考えればわかることです。

安易に忙しさに負けて転職するようでは、日本全体が人材不足で、働き方改革だと言われている現在においては、今の会社でも転職先の会社でも好意的に扱われないのだなと感じた次第でした。

提供サービスの内容(時間)を見直し、人手不足に対応している飲食業などをみればよくわかります。コンビニ業界もこの方向に向かおうとしているとか。これが日本の産業全体が向かっている大きな方向です。今までと同様に無駄で生産性の低いことをやっていたのでは生き残れない時代です。税理士業界も例外ではありません。

必要な事をやる。その時間を作るためには別の時間を捨てる、これは今の時代で行わなければならない当たり前の事なのです。

研究中心の生活から解放され、こんな当たり前の話を「新鮮」に感じ、若干自己嫌悪に陥りました。そろそろ現場にもどって、中小企業の社長さんたちの悩みを一つ一つ拾い上げなければ。研究の日々はそれなりに充実していたため、少し長居し過ぎたのかも知れません。

打ち上げ会の後、新・北斎展に行きました(六本木も5年ぶりくらいです。またまた自己嫌悪です)。

主として島根県立美術館所蔵の葛飾北斎の作品を「春朗期」から「画狂老人卍期」の6章に分けて紹介している、熱気あふれる展覧会でした。

あまりにも作品の数が多く、また大勢の観客で沸き返っていたため、途中でだいぶ疲れました。休めるスペースはほとんどありませんでした。それでも江戸期の日本の高度な文化を堪能することができたことは言うまでもありません。

このド迫力!

日本は奇跡の明治維新を成し遂げたとされていますが、江戸期にこんなに素晴らしい芸術作品が作られ、多くの人たちの手で印刷され、商いが成立していたことから、明治維新の偉業の素地が、江戸期の日本に既にあったことをうかがい知ることができます。

日本に生まれてよかったと感じました。

六本木ヒルズからの新宿方面の景色も素晴らしかったです。

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Posted by obotax