適正距離

ここ数日少しひんやりした日が続いています。台風が毎週のように来ていますが、来月夏休みを控えている私にとっては、今後の台風の発生は気になるところです。

以前からよく利用している飲食店が、経営が安定してきたのか最近満席が多く、予約が取りづらくなりました。

税理士という商売柄なのか、親しくなると、顧問先ではないのに安心して経営に関する話をしてくれる飲食店の経営者は多いのですが、この店主もそのようです。

相談を受けるときの私の基本姿勢は、①喋らせる、②否定しない、③同感できることだけ深掘りする、この三点です。30年、税理士の仕事をして感じることは、これくらいが適正距離だということです。経営コンサルタントのように、短期間でお客様と一緒に目標実現する仕事ではありません。国家の大事に携わっている人々のように、強いリーダーシップを発揮して人々を一定の方向に意識づける仕事でもありません。私ができるのは、我々の仕事の中から得た、最大公約数的な、仕事に対するあるべき姿勢を、顧問先に気づかせてあげるくらいです。

私の能力でできるのはここまでですが、お客様の中にはとても喜んでくれる人がいます。多くの中小零細企業の経営者は、フロントラインで孤軍奮闘している人たちがほとんどだからだと思います。彼らは(私もそうですが)、自らの戦いが正しいかどうかわからないまま、必死に生きている人たちです。

彼が先日話しました、「お客様との適正距離がある。親しくなりすぎてはいけない。親しくなりすぎると必要以上に期待されるし、そうでなくても、自分のおかげでこの店が繁盛したと、事実に反する話をし、我が物顔でいつまでも居座る人がいる。これでは、落ち着いてマイペースで仕事ができないし、結果、足を引っ張られることになる」。

情けはひとの為ならずと言います。

人の世を生きていくのは本当に難しいものです。

大学院が終わり、実務に追われる毎日です。

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Posted by obotax