うどん屋さん

鹿児島に住んでいたころ「得々うどん」だったと思いますが、友人とよく利用していました。当時好きだった腰の強い太麺で、大盛り無料だったように記憶しています。今もまだあるのでしょうか。

鹿児島のうどんは関西風の薄口しょうゆを用います。そのさっぱりした味わいが好きで、蕎麦屋でうどんを注文するとき、まず薄口風がないかを探します。もちろん、関東風の濃いうどんも好きですが、どちらかというと今でも薄口しょうゆのうどんが好きです。自宅でうどんを作る時には例外なく薄口しょうゆを使います。東京に出てきた頃に、神田駅近くの立ち食いうどんで関西風の店があり、先輩に仕事帰りに何度か連れて行ってもらいました。神田の顧問先に行く時間を夕方にセッティングして、仕事の後うどんを食べて帰るのが、20代の私のささやかな楽しみでした。

そういえば、かつてよく利用した今は無き代々木庵のきしめんは、これまで食べたうどんの中で一番おいしかったと思います。関西風のだし、固めにゆだられた麺の上には細かく切った油揚げ、カイワレ、そしてかつお節のスライスしたものが大量に盛られていました。だしをすすると、上品なかつおのなんともいえない風味が鼻から口へ流れていきます。汁はかなり熱くして出されるので、丁寧に食べなければやけどをしそうでしたが、固めにゆでられた麺も、そのうちちょうどいい固さになることなどは十分に計算済だったのでしょう。昼食でも夕食でも本当によく食べましたが、そのうちてんぷらを盛った「天ぷらきしめん」にも応じてくれることを知り、これもよく食べました。

美味しいものを食べると、その後1日楽しくすごせます。夕食で美味しいものを食べると、リラックスして眠くなるのは私だけでしょうか。

「まずいものを食べてしまうと、その後美味しいものを食べても、不快感は消えないから、毎回真剣に料理を作る」と、ある料理人からかつて聞いたことがあります。

時間差がきちんと考慮されている。

日本の食文化は、奥深く、本当に素晴らしいものだと思います。

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Posted by obotax